弁護士・大城聡

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国分寺まつり出店拒否事件(「青年法律家」2016年3月25日号)

論文・寄稿一覧

憲法9条改正に反対し、反原発、脱原発を訴える団体が、「国分寺まつり」という東京都国分寺市で年に一度開催される地域の重要なイベントに、出店内容が政治的であることを理由として、出店拒否された事件について、寄稿しました。

 

埼玉県さいたま市では「梅雨空に『9条守れ』の女性デモ」と詠んだ俳句の月報への掲載を公民館が拒否した事件があります。また、千葉県市川市では護憲活動をしている市民サークルが文化祭への参加を断られました。全国各地の自治体が「政治的中立」を理由に憲法関連の集会やイベントの後援・共催を自主規制する動きも広まっています。これらはいずれも「政治的中立」を装い、社会的争点について、国民をして、見ざる、言わざる、聞かざるの状態に置こうとするものです。

 

「自由の気風はただ多事争論の間にありて存するもの」と福沢諭吉が喝破したとおり、議論の場がなくなれば、「自由の気風」が失われます。自由の気風を守るために、勇気を持って立ち向かう人たちがいます。その人たちの闘いを、他人事とせずに、知恵と力と心を合わせて自分たちの問題とできるかどうかが問われているのだと思います。