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第6回「民泊サービス」のあり方に関する検討会を傍聴しました

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平成28年2月29日に行われた,第6回「民泊サービス」のあり方に関する検討会を傍聴しました。

1 関係者からのヒアリング
本日は,まず,有明のタワーマンションの管理組合法人理事長からのヒアリングがありました。
理事長からは,同マンションでは,民泊の利用が確認される以前に管理規約を改正し,シェアハウスを禁止する条項を設けたこと,民泊の利用が確認された際,当該条項を理由に,ホストに対して是正を求め,結果,ポータルサイトから物件情報が抹消されたことなどの報告がなされました。
また,管理規約の変更に必要な特別決議(組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上の議決)をなすことが不可能なマンションも存在すること,そのため,分譲マンションにおいて民泊を認めるのであれば,管理組合の許可を手続上必須にしてもらいたいことといった意見が述べられました。

2 検討の方向性について
⑴ 早急に取り組むべき課題~原稿制度の枠組みの中で対応が考えられること
ア 現行制度の枠組みの中で対応できることとして,旅行業法上の簡易宿所を活用すること,現行の客室面積の基準(延床面積33㎡以上)を見直すべきことが確認され,旅館業法施行令と旅館業における衛生等管理要領について,改正案が示されました。
旅館業法施行令の改正案では,客室の延べ床面積を,33㎡(収容定員が10名未満の場合には3.3㎡に収容定員の数を乗じて得た面積)以上であることに改正することとされています。
この改正案について,平成28年2月9日から同年3月9日までの間,パブリックコメントが実施されています。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495150362&Mode=0

また,自宅の一部やマンションの空き室などを活用する場合においても,宿泊料と見なすことができる対価を得て人を宿泊させるサービスを提供する場合には,原則として,旅館業法の許可を取得することが必要である旨を改めて国民に周知するとともに,併せて,今般,講じる予定の基準緩和措置の内容について,国民,仲介業者,自治体等に周知徹底を図り,旅館業法の許可取得を促すべきではないかとの意見が示されました。
イ 民泊が簡易宿所として位置づけられた場合,建築基準法や消防法との関係が問題になりますが,いずれも現在の簡易宿所と同じ扱いになるとの説明が,国土交通省,消防庁からなされました。

⑵ 中期的に検討すべき課題~現行制度の枠組みを超えた検討が必要なこと
民泊を,一旦,旅館業法上の簡易宿所と位置づけるとして,その後,どのような枠組みを設けるかについては,以下のように様々な意見が出されています。
検討会では,平成28年3月に,これまでの議論を踏まえて中間論点整理を出すこととなっており,現在は,論点出し及び論点の整理がなされている状況です。
ア ホームステイタイプの民泊について
・家主居住のホームステイ民泊は旅館業法を適用する必要はない。
・家主がいる場合でも反復継続する以上,旅館業法を適用しないでよいかは慎重に検討すべき。
・プライマリーレジデンスとそれ以外で異なるルールが設定されるべきではないか。
・自分の家を時々短期で貸すホストには,1年365日商業的に運営している営業者とは異なる新たなモデルが適用されるべきではないか。
・個人が本拠として使用する住宅において少人数の宿泊客を受け入れる場合は,届出等の簡素化が必要ではないか。
・自宅の一部を活用するケースは,簡易宿所としても許可を取るのは難しいのではないか。
イ 共同住宅の空き室・空き家等,ホームステイタイプ以外のタイプについて
・共同住宅の空き室や空き家を活用する民泊についても検討の対象とすべき。
・家主不在の場合,簡易宿所の枠組みで対応するのが現実的。
・今後,民泊を中心的な業として担うことが想定される者として,宅建業者や旅館業者が考えられる。これらの事業者を対象に,イコールフッティングに配慮しつつ,制度設計することで,家主不在の民泊への課題にも対応できるよう検討できないか。
ウ 規制の方法について
・旅館業法の適用除外としたうえで,必要な規制を新たに行うことも含め,抜本的な対応を検討すべき
・何らかの規制緩和を行う場合であっても,旅館業法の適用を除外するのではなく,旅館業法を適用した上でその運用を緩和することが適当。

(第6回「民泊サービス」のあり方に関する検討会 配付資料より)
平成28年2月29日

以上