弁護士・大城聡

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知の市場「築地移転問題にみる土壌汚染」(5月15日)

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環境法に関する講座「知の市場」の講師を担当しました。

来年11月に築地市場から豊洲新市場に移転する計画が進んでいます。計画通り進めば、東京オリンピックの時には、築地市場はなくなっているのです。

しかし、築地市場移転には、問題がいくつもあります。その最大のものが豊洲新市場予定地の土壌汚染です。豊洲新市場予定地は、かつて東京ガスの工場でした。東京都は、東京ガスがきれいにした安全な土地を買うから大丈夫だと都議会等で言ってきましたが、平成19年に環境基準の4万3000倍もの濃度のベンゼン、860倍のシアン化合物等の深刻な汚染があることがわかりました。

東京都は土壌汚染対策を行ったとしていますが、現時点で、新市場予定地は土壌汚染対策法で、有害物質が基準値を超えた場合に指定される形質変更時要届出区域となっています。この区域から指定解除されるためには、たとえば地下水モニタリングを2年間行って、基準以下であることが確認されなければなりません。

しかし、東京都は、指定解除を待たずに、市場施設の建設を始めていますが、「見切り発車」と言わざるをえません。

このような築地市場移転問題と土壌汚染について話した後、このまま築地市場を移転して良いのか、汚染地に市場を開設ことができるのかについて受講者の皆さんと意見交換しました。